傷寒論の太陽病下編36条

太陽病外証未除而数下之遂協熱而利利下不止心下痞鞕表裏不解者桂枝人参湯主之

太陽病、外証(外にある症状)(外症状がある時は下剤を飲ませないことが基本)未だ除かれない時に(数)度々このような時に下剤で下して、遂に協熱して下痢し、下痢が止まらず。(心下痞)みぞおちの下が硬くなって表の症状(熱など)裏(下痢など)共に解す(治らない)者は、桂枝人参湯が主治します。

下剤をかけるという事(下剤を飲んでもらう事)は胃の熱をとるという事なので、胃が冷えるのです。しかしここでは、協熱といって熱があるようになって下痢すると言っています。人参湯は胃の冷えを治す薬です。この熱はどう言うことか?と考えました。外にあった邪熱(発熱など)が下剤によって一部が中に入ってきます。元々あった陽気と一緒になって協熱となり、この熱はあまり強くないのかもしれません。体は、熱を持つと反射的に冷やします。逆もあり、体が冷えると反射的に体を温めようとして熱をもとうとうします。外から突然入ってきた邪熱と元々あった陽気が協熱となっ時に反射的に胃を冷やし、下痢に及んだと解釈しました。

熱がそのまま胃に入ったとしたら、胃は熱を持つため人参湯では、逆になってしまいます。人参湯である限りは胃が冷えているはずです。度々下剤をかけても一部しか熱邪が入ってこない場合もあるのか?とも考えます。

傷寒論の難解さの一例ですが、まだまだ精進して行きます。今回はこれまで。