和漢薬最終号No.770に根本先生の寄稿を拝見させていただきました。現代中医学の弁証論治と日本漢方の随証療法の違いと問題点を指摘されています。
以前より中国の医学の古典「黄帝内経」で、弁証論治がされていないのにいつから現代の中医学が弁証論治になっていたのか?と考えていました。1955年に毛沢東による中医中役の知識と西洋西薬の知識を結合させ中国で統一された新医学・新薬学を想像することに関する講和が発表されて、中西医結合の方針が決定されることになりました。周恩来の発議により中医学院の成立より弁証論治の中医学が現在の中医学に至っっています。
一方日本では、和方や古方、後世方など多くの学派により伝達されてきました。随証療法と言われる陰陽五行を考慮しない学派、証を重んじて漢方薬を選択する。また、古方(傷寒論を聖典とする学派)でも陰陽五行などの黄帝内経を基本として漢方医学を考える学派など様々な学派が存在します。
どの学派の方々も一長一短があります。現在の日本では殆どの先生が現代中医学を勉強されています。また、各先生の理論が経験により異なるのが漢方医学だと思います。日本では特に、多様な考え方がいろいろな視点で考えられる環境にある事は、素晴らしい事だと思います。
良い先生に巡り会える事を願い、漢方医学が日本で広まることを願います。