学名 Bupleurum falcatum Linne(Umbelliferae)

セリ科のミシマサイコの根を乾燥したもの。市場では、唐柴胡とミシマサイコがあるが、ミシマサイコの方が上品とされている。

サイコは、日本薬局方では本質で解熱鎮痛薬として。
適用で、精神神経用薬、消炎排膿薬、痔疾用薬、保健強壮用薬とみなされる処方及びその他の処方に配合されるとあります。
専門書では、味苦平。外の中に行く。半表半裏の熱を去る。故に胸脇苦満、胸痛、心煩、往来寒熱、頸項強、脇下痞硬、心下満などを治す。応用として、胸の病、胸わきの病、腹の病、耳の病、風邪のこぢらかし、虐、その他広く所病に用いられる。とあります。苦平とは五行中の五臓では肝、五腑では胆になります。臓腑にまで病があるときの一つとされます。肝臓病=小柴胡湯ではありません。実虚、寒熱、陰陽、気血水などを総合的に考えて体を把握します。

臨床盤面では、半表半裏に違和感があるときの一つの目標になります。体の表と裏の境目の違和感ですが、他の原因が考えられますので他の症状も考慮して決定します。柴胡が入った漢方薬には四逆散、大柴胡湯、小柴胡湯、柴胡桂枝湯、柴胡桂枝乾姜湯などがあります。

写真は、当薬局の店頭にミシマサイコの花が咲いたものです。繊細な可愛い花が咲きました。たくさんの方が命を救われます。