陰病と陽病
漢方で病いの分け方で陰病と陽病とがあります。
突然言われてもわからいですよね。
では、詳しく見てみましょう。
Ⅰ、陰位にある病いを陰病、陽位にある病いを陽病といいます。
ここに陽の経絡、そして陰の経絡があります。
ちょっとここで、基本に立ち戻ります。
陽と陰が漢方の基本なんですね。
身体にも陽と陰があります。
身体を前と後ろで考えると、
背中のある後ろが「陽」で前の胸がある所が「陰」となります。
また、胴体で考えると、
肋骨より上が「陽」、下が「陰」となります。
身体の前で考えると
腰より上が「陽」で腰より下が「陰」となります。
もう一つ、右半身と左半身ですと、
左半身が「陽部」右半身が「陰部」となります。
経絡(けいらく)と経穴(つぼ)というものを聞いた事があるかと思います。
経とは、身体に縦に走っている本線のようなもの。
絡とは、経のある所から走っている支線のようなものです。
そして、経と絡がぶつかった所を経穴(つぼ)といいます。
経絡には、12本の線があります。
以下に挙げますね。
1、手の太陰肺経
2、手の陽明大腸経
3、足の陽明胃経
4、足の太陰胃経
5、手の少陰心経
6、手の太陽小腸経
7、足の太陽膀胱経
8、足の少陰腎経
9、手の厥陰心包経
10、手の少陽三焦経
11、足の少陽胆経
12、足の厥陰肝経
この中で陰という字が入っている経、陽という字が入っている経がありますね。
この経に邪気が当たり、身体の防衛機能が対応出来なくなった時に、色々な症状が出てくると考えます。
例えば、
漢方で有名なお薬で「葛根湯」があります。
葛根湯は、背中がゾクゾクして、発熱があったり、汗が出なかったり、肩こりがあったり、その上に下痢したりする等の時に飲むお薬です。
太陽傍系は背中から肩にかけて走っている経です。
そこで、葛根湯は陽病に飲むお薬という事になります。
Ⅱ、もう一つの意味で、陰病とは冷えがある病い、陽病とは熱(発熱やアトピー性皮膚炎のような熱)という側面もあります。
陰病とは陰氣がさかんになっている時をいいます。
陰氣の役目として冷やす作用があります。陰氣が多いと冷えが生じるのですが、陽気(エネルギー)が、少なくなっても身体が冷えます。
陽気はエネルギーと考えてもよいと思います。エネルギーがある部分にあると「熱」を生じます。
熱のある部分により、発熱して体温が上がったり、胃の熱があると口が渇いたり、アトピー性皮膚炎になったりします。
なんとなくわかりますか?
こんな感じですかね〜。